口に出した事が本当になる「言霊」
投稿者:手束 (11)
言霊っていうのはいい意味に使われる言葉だと思うけれど、私はいつも悪い感情を口に出した時に実現した記憶がある。
小学校の部活は「体力作り部」だった。簡単に言えば、陸上も音楽も水泳も全く能力がない子たちの受け入れ部活。みんなコンプレックスの塊の集団で、行っても行かなくても先生に期待もされないから平気だった。
しかし、私は真面目でサボる事が嫌だった。一緒に帰宅する友達はみんなサボろうとする。
真面目に行こうとする私はバカにされた。頭にきた。それで、嘘を言う。その場で作った嘘を言った。
「体力作り部のきまりができたんだって。先生が厳しくするんだって。五分遅れたら運動場を一周。十分遅刻したら二周走らされて、帰るのが遅くなるよ。みんなの前で恥かくけどいいの?」
友達はプライドは高い。罰として走っている所を陸上部に見られたくない。
ちゃんと部活に出た。顧問の先生は始まる前に参加した児童を集めた。そしてこう言う。
「これからこの部活をサボらないようにきまりを作った、五分遅れたら運動場を一周、十分遅刻したら2周と罰で走らせる!」私は自分の言ったでまかせの言葉のままで驚いた。私のお陰で遅刻しなかったとお礼を言われた。本当に不思議だった。
苛立ち、憎しみ、嫌悪の負の感情が増した時に出た言葉で現実になった事がもう一つある。
本屋でアルバイトしていた時の事、一緒にレジに入るパートのおばさんが嫌味ばかり言う人で大嫌いだった。
シフトが同じだと朝から行きたくなかった。
「交通事故にでもなって休めばいいのに」独り言で言った。
当日おばさんは来ない。前日の夜、交通事故に遭ったのでしばらく休むと店長から聞かされた。
ケガも治って二週間後、出勤することになったおばさん。私はまた嫌だなって思って「本当はアバラも折れていたらいいのに!」と言った。
不思議なことに二週間では症状がなかったはずなのに、おばさんのアバラが折れていたことが判明したらしい。それからまた休みに入ることになった。
おばさんは自分で運転して事故に遭ったわけではなく、たまたま歩いていた所、久しぶりに会った友達に家まで送るよと言われ助手席に座り被害にあったらしい。不思議な思い出である。
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