山で私を治療し助けてくれた存在
投稿者:ヒューマン (4)
私がまだ4~6歳の、幼稚園児だったころのお話です。
今、思えば危険でしたが、当時はこの位の年齢の子が、少し離れた友達の家や、習い事に一人で行くことは珍しいことではありませんでした。
どこかに行ってしまっても、日が暮れるまでに家に帰ってくればそれでよし。
だからあの日、当時、好奇心旺盛だった私は、友達と一緒に近所にあった山に登ることも深く考えずに実行しました。
その山は、普段は、親や幼稚園の先生の引率で登っていたものですから、当たり前のように登ったまでは良かったのですが、私と友達は、山を降りる途中で道を間違え、帰り道がわからなくなってしまいました。
私は、すぐに元来た道へ戻れるだろうと楽観していましたが、友達の方はとても心配になり、うっかり二人で転んだのをきっかけについに泣き出してしまいました。
パニックになった友達の隣で、私もすりむいたくるぶしをさすりながらどうしようかと思っていた時、山の茂みから、黄色い帽子をかぶった男の子が現れました。
「どうしたの?まいごになったの?」
その男の子は下げていた黄色いバッグから葉っぱをとりだし、私の擦り傷の上にかぶせてくれました。
私は、不思議とそれだけで傷のいたみがやわらぎ、それ以上に安心感に満たされました。
その男の子は、「ついておいで」と、山を降り始め、私はいつの間にか泣き止んでいた友達と手をつないで一緒に降りました。
すると、あっという間に私たちは、元来た山の入り口にたどり着きました。
よかった!と、私と友達はひとしきり喜んだあと、その男の子にお礼を言おうとしましたが、その時にはもう、その子はどこにもいませんでした。
次の日、幼稚園の先生にその話をすると、先生は「山の子ぎつね様がたすけてくれたのかも知れないね」と笑顔でいいました。
そういえば、あの男の子の帽子の下のお顔にほわほわした毛が見えていたような・・・。
現在、私はその山がある生まれ故郷を離れていますが、戻ってきた時は、もう大きくなった恩人の為に油揚げをもって山を登りたいものです。
キツネだから油あげ?
そんなの人間が勝手に作った話じゃん!
キツネはそんな物食べないし、喜んでくれないよ!
本当に御礼がしたのなら、野ネズミとか野ウサギとかをお供えしなきゃ!
油あげで大丈夫ですよ
野生のキツネにお供えする訳じゃないので
日本酒も喜ばれますよ
油揚げでもオッケーです。お稲荷さんなら御供物も油揚げは好まれますし。ただ男の子がコギツネ様っていうのはどうかと思う。
山の神様では?