立つだけのバイト
投稿者:釣瓶落 (1)
「あ、あの仕事で受けた者ですけど…」
俺は挨拶をしようとしたが、その女性は話をする気がないのか黙っている。
俺も気味悪いなと思いながら相手の様子をうかがっていた。
すると女性は近づいてきて、俺の耳元である言葉を伝えた。
この時はボソボソと言っていて、よく聞こえなかった。
「ちょ、ちょっと!」
女性はそのまま去っていく。
俺は意味が分からなかったが、時間が過ぎていたのでそのまま帰った。
「結局どういうバイトだったんだろう…まぁ、金は振り込まれていたからいいけど」
金はすぐに支払われていた。
そして、俺は不思議に思いながらもそのまま眠りにつく。
しかし、その日から異変は起きたのだ。
俺はふと気づくとあの公園に立っている。
時間は夜中。
そして、あの女が少し遠くに自分をにらむように立っている。
「な、なんだ?」
俺は嫌な気がしてならなかった。
暗闇の中でよく目を凝らして女を見ると女の手元に何かがある。
キラリと光る鋭いもので分かった。
刃渡りの長い包丁だった。
女は高笑いしながら包丁を構えて俺に向かって走ってきた。
「あははははは」
女の声が不気味に公園に響く。
俺は訳も分からず走って逃げた。
でも女はヒールを履いているのにも関わらず足が速い。
俺はすぐに追いつかれた。
そして…
ズブリという鈍い音ともに背中に包丁を突き立てられた。
「あああああー!」
俺は背中の痛みで飛び起きた。
夢だったのだ。
冷や汗をびっしょりかいている。
最初は変なバイトをしたせいで嫌な夢を見ただけだと思った。
しかし、シャワーを浴びてあることに気が付く。
とても強い呪いだよ(‥;)相手には倍の呪いが返ってるだろうね(..;)