危ない遊びを叱りにきたおばあちゃん
投稿者:カシューナッツ (1)
実際に体験した不思議な体験談です。まだ私が中学2年生だった頃、2階建ての一軒家に兄、父母、祖父と私の5人で暮らしていました。祖母も一緒に暮らしていましたが、2年前にこの世を去ってしまいました。いつも着物を着て厳しい顔付きをしており、素行の面でよく叱られていました。もう会えなくなって気が楽になるかと思いきや、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになったことを今でも覚えています。
そんな寂しさのようなものを埋めるかのように、少し羽目を外して友達と遊ぶこともありました。例えば、当時通っていた中学校では”こっくりさん”という霊を故意に呼んでコミュニケーションを図るような遊びが流行っており、放課後はそれを友人と一緒に面白半分でよく遊んでいました。
そんなある日、いつも通り帰宅し食事と入浴を済ませて電気を消して目を閉じたときに不思議な体験をすることになります。自分が寝ている枕元に黒い何かがいるのです。真っ暗だったので最初は気配を感じるだけでしたが徐々に目が慣れてきて、その正体がはっきりと見えました。着物を着て前かがみの状態で正座をしている祖母でした。その着物は祖母が生前着ていたもので間違いありませんでした。しかし祖母は全く口を開きません。その状態のままでこちらをただ、じっと見つめているのです。テレビでも心霊特集で幽霊のような影を見ることはたまにありましたが、まさかこんなにもクッキリと霊が見えるとは思いもしませんでした。私の体は全く動かず、声を出すことすらできず、かの有名な金縛りを人生で初めて体験しました。それから恐怖のあまり気を失って寝てしまい、次の日の朝を迎えました。
このことを母に震えながらも祖母に会ったことを必死に伝えると、もちろん笑い飛ばされました。それが気に障った私は母と寝室を交代してもらい、私が金縛りにあった部屋で寝てもらうことにしました。すると翌朝、母も私と同様に無口で枕元に正座で佇む祖母に会ったと言い、珍しく震えていました。
ここからは私の単なる推測ですが、祖母が私に会いに来たのは、”こっくりさん”という霊を呼び出すような危ない遊びをして遊んでいたことに対して叱りに来たのが理由だと思います。母も私の驚いたさまを真に受けず笑い飛ばした罰が当たったのでしょう。私は”こっくりさん”で遊ぶことを辞め、素行も改めて部活動に勤しみました。母も私の話を以前よりも真面目に聞いてくれるようになりました。それらの変化によるものなのかは分かりませんが、再び祖母が現れることはなくなりました。おかげで、恥ずかしくない大人になれたのかなと、今改めて思います。
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