不思議なかくれんぼ
投稿者:縦の糸 (1)
私が小学校1年生の時の話です。
小学校に入る少し前に引っ越し、新しい家にも慣れてきた頃でした。
新しい家の寝室は2人の姉と一緒に使っており、その部屋には備え付けの
白いタンスがありました。
その日は2人の姉と一緒に家でかくれんぼをしていました。
私が鬼になり、姉を探しに行きましたが、なかなか見つかりません。
当時幼かった私の感覚では随分長い時間探していたように感じ、
なかなか見つからないことに少し焦ってきていました。
しばらく探していると、白いタンスの中から一瞬手が見えました。
私は「なかなか見つからないからお姉ちゃんが手を出して教えてくれたんだ!」
と嬉しくなって、タンスに駆け寄りました。
ところが、タンスを開けて中を見てもそこには誰もいませんでした。
その時はがっかりした気持ちが強く、怖さは感じず、早く探さなくちゃ!と
また姉を探し始めました。
結局姉はカーテンの後ろから出てきました。
安心した私は「さっきタンスから手が見えたから見に行ったら誰もいなかったんだよ」
と姉たちに話しました。
あれ?なんで誰もいないところから手が見えたんだろう・・・
姉に話し、2人の反応を見て初めて、自分が不思議な体験をしたことに気がつき
怖くなってきました。
それからしばらくは、そのタンスは私たちの間で恐れられていましたが、
その後おかしなことは起こらず、だんだんと話題にすることはなくなって行きました。
今でもあのタンスから一瞬出てきたピンクがかった小さい手の光景は覚えていますが
見間違えるようなものはなく、結局なんだったのかはわかりませんでした。
当時は随分怖い思いをしましたが、悪いことは起こっていないので、
きっと良くないものではなかったんだろうと思っています。
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