何度も目を覚ます場面へ連れ戻された
投稿者:左右中 (1)
これは私が10年前に体験したお話です。
当時私はロフト付きの部屋に一人暮らしをしていました。
ロフトに上がる階段からちょうどテレビが見えるように布団を敷き横になりながらぼんやりとテレビを眺めていました。
いつもならタイマーをかけたりするのですが、この日は気がついたら寝てしまっていました。「ああ・・テレビ消さなきゃな」そう思いながら重たい目を開けると部屋中真っ暗。テレビは消えていました。
「無意識に消したのかな」そう思い再び寝ようとしたその時、ロフトからちょうど見えないあたりにモゾモゾと動く何かに気がつきました。部屋が真っ暗なはずなのに、その動くモノは赤黒く見えました。
「逃げないと」
咄嗟にそう思い慌ててロフトから飛び降り、私に手を伸ばそうとしているモノから泣きながら逃げ部屋を飛び出しました。
すると、外は真っ昼間なのに人の気配は一切なく余計に不安を感じた私は少しはなれた駐車場へ行き車で逃げようとしました。道路を渡ってもう少しで車。
その瞬間再びあの真っ暗な部屋で目を覚ます場面へ連れ戻されました。
見下ろすとやはりロフトの下には蠢くなにか。
再びロフトから飛び降り、外へと逃げました。先ほどよりも膨らむ恐怖心。
部屋から飛び出し車へ・・・しかし、今度は道路の向こうへ行けませんでした。
そしてまた真っ暗な部屋へ戻り、外へ逃げる。そして徐々に逃げられる距離が短くなっていく。
それを3回程繰り替えした時、ついに部屋からも出られなくなり恐怖に耐えられなくなった私は悲鳴を上げ失神したのだと思います。
目が覚めたときは、玄関の入り口で座り込んでいました。部屋も日差しが入っていて明るくなり、テレビもついたままでした。
あのまま、失神せずにいたらどうなっていたのか今でも考えることがあります。
後で聞いた話では、そこのアパートは火事で一度全焼したお家の土地に建てたものだったそうです。
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