向きを変える仏像の話
投稿者:BBK (3)
短編
2021/08/23
06:52
1,372view
私が幼い時に母親から聞かされたお話となります。
母親の魚屋を営む過程で生まれ育ちましたが、その自宅は浜に大変近い所に存在しておりました。
母親自身、よく子供のころは浜に出て遊んでいたそうですし、船にも乗る機会もあったのでしょう。
ここでお話する母親から聞いた不思議なお話しは、母親が船に乗っていた時から始まります。
そういえば、母親には兄が2人おりましたが二人とも漁に出たかなにか内容分かりませんが、若い内に船で亡くなっております。
さて、何かの理由で船に乗っていた幼い頃の母は、ある時海に何か流れているのを発見します。
”仏像”と気づいた母親は何と拾い上げて救い出し、自宅に持ち帰りどこかに飾ることになりました。
そこで不思議なことが起きます。
真っすぐ正面に向け飾ったはずの仏像が、気が付けばいつの間にか違う方を向いていきます。
不思議に思いながらも、母親は元の正面に戻しても同じことが起きるのです。
やがて母親は気付きます。
その仏像は”お寺さんの方”に自然と向きを変えることを。
母親の実家のすぐそばには確かにお寺さんがあったのを私も知っています。
そこで母親はその仏像が”お寺さんに行きたがっている”と察知してお寺さんに預けたそうです。
仏像を預けたそのお寺さんは、お寺業をたたまれた(終了された)そうで、今では同じ地域の別のお寺さんにその仏像は飾って頂いているということでした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 3票
お母さんの兄が亡くなったのと仏像が海泳いでたの関係あるのかな?
仏像って足あるんだから自分で帰ればいいのに!