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心霊

識らヌヰさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

八月六日、ヒロシマ
短編 2021/08/06 13:41 1,404view

今日は八月六日、広島に原爆が投下された日です。
私の親世代が若いころはケロイド痕のある人もよくいたのだそうです。いまはまったく見かけませんが、だいぶ鬼籍に入ってしまったのでしょう。

原爆投下時刻の二時間前。遠くでセミが鳴いています。あの日もこんなだったのかなと思いましたが、おそらくこんなに朝から暑くはなかったのだろうなと思いました。
マンションの七階の窓から何人も何人もの弔われる者たちが空から降りてくるのが見えました。服は焼け裸で、皮膚の焼け爛れた者たちが、粛々と、粛々と。

弔われる者たちは刻一刻と地面に近づいていきました。一時間前はマンションの四階くらいだったが、三十分前のいまは二階辺りにいます。時刻になったら地面に着くのか、それともすこし浮いているのか。少し疑問に思いながら、家にテレビがないので純喫茶に来てモーニングを食べていました。

八時。平和式典が始まりました。突然歳かさの女性がテレビのチャンネルを変えようとしたので、何も言わなかったものの驚きました。

八時十五分。鐘が鳴りました。
テレビの音声に合わせて一分間の黙祷をしました。周りのお客さんはもう原爆は飽きたと普通に食事したり談笑していたので、いまのヒロシマにとって八月六日はそこまで重要なものではないのかもしれません。

私はまだ寒気と震えが止まりませんが。

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コメント(1)
  • 広島や長崎の県民の方々は、原爆やその被害者の方々を少しでも茶化すような、あるいは面白く大げさに言う人に対して、烈火のごとく怒り、敵対心さえ持つと聞いたことがあります。
    そのせいで別れた恋人もいるそうです。そんな人とは別れて正解です。
    広島と長崎の原爆記念館に行ったことがあります。決して忘れてはいけない事です。

    2021/08/08/01:30

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