障害者雇用の現実
投稿者:識らヌヰ (4)
数年前、製袋業を主にやる障害者雇用施設で働いていたことがある。
製袋業とは、買い物のショップ紙袋や封筒や商品を入れる紙袋などを手折り手貼りで作る仕事だ。いつも何万個の受注が数件あり、仕事場は製品を入れたダンボール箱であふれていた。
私は設立当初からの社員だった。その会社がおかしいことに気づいたのは、遠赤外線でなんでも治せる機械を置き出してからだった。母体が似非医学の会社だとわかったのはインターネットで調べてからだった。
ただ、もう遅かった。
上層部に目の敵にされている女性が給料操作をされたり物を盗まれたり、会長と社長の息子が仕事には出てこない幽霊社員になっていたりした。
紙を折るのには案外力が要る。腱鞘炎とガングリオンができ、休憩時間に冷却スプレーを吹き、テーピングとサポーターをして働いた。ただ限界はあった。私のグループにだけ、絶対こなせない製作ノルマを課せられた。マチ付き封筒を一分未満で作らないと達成できない。抗議した。耳を貸されなかった。だから、頑張った。私ともう1人の女性が腕の捻挫や炎症を起こして仕事ができなくなるくらいには。
そこから、嫌がらせを受けていた女性と私と捻挫した女性から労災認定しろとの訴えが起こり、揉めに揉めた。毎朝五時に無言電話が鳴った。毎回笑いながら切った。帰宅するころの会長からの恫喝電話。負けないように怒鳴った。誰も助けてくれなかった。家族も、福祉課も、ハローワークも話を取り合わなかった。
結局全員自己都合退職の運びとなった。
しかし、私が労基に駆け込んでいれば友達は助かったかもしれない。精神科入院した女性と消息不明の女性はどうにもならなくとも。
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