とりあえず用を足す前に個室の中を確認することにした。
開ける前はさすがに少し躊躇したが、めちゃくちゃ怖いってほどでもない。
開けると和式便器が横向きに見えた。
少し身を乗りだした時にすぐにわかって死ぬほどビックリした!
便器の先のスペースに人らしき姿が見えたからだ。
全身鳥肌が立ったがすぐに人ではないことに気づいた。
それは像だったのだ。
ちなみにトイレには電灯が一つしかない。
個室の中は扉が開いてればそこそこ見える暗さだ。
その曖昧な暗さが一瞬錯覚をさせるが、一回把握するとそれは紛れもなく像だった。
おそらくブロンズ像だろう。
子供といっていい等身大サイズの女の子だった。
(小学校中学年くらいか)
少し状況が把握できて落ち着くと今度は疑問が沸き起こる。
何でこんなモノがこんな場所に…?
ノックするようにコツコツ軽く叩いてみたが、中は空洞の安っぽいものではなさそうだ。
ちょうどしゃがんだらブロンズ像が正面に立ってるなんてなんか嫌だなと思った。
ちょっとしたオブジェのつもりなのかもしれないが、こんな不気味なオブジェはないだろう。
考えれば考えるほど不自然だった。
個室の扉を閉め、男子便器で用を足してから車に戻った。
少なくとも襲われる心配はないから普通に用も足せた。
「見れた?」
「うん…」
「どうよ?」
「見た瞬間は卒倒するかと思った…」
「わかる!」
「なんなんだろ?あんなとこに…意味が全くわからん…えええ…何でぇぇ…?」
近くの自販機で缶コーヒーを買って、車に乗り込み引き返すことにした…
来た道を引き返すのも芸がないので別のルートで帰ろうと車を走らせた。
すでに眠っている証しに、通りすぎる民家の明かりはほとんど消えていた。
「でもさ、あれは幽霊じゃないぞ。怖いことは怖いけど…」
「いや、そうでもないんだよ、それが…」
「えっ?何で?」
「昼間行くとないんだよ。あの像…」





















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