誰しも一度や二度は心霊スポットに訪れた事があるんじゃないかと思う…
もちろん自分もある。
ただ、そこで幽霊が現れたためしがない…
大半の人には同調してもらえるんじゃないかと思うが、その話を聞いたある人物が…
これは友人の体験談である。
「それじゃあさあ、必ず見れるスポットがあるのを知ってる?」
車を運転しながらAが言った。
「えっ?そんなとこあるの?」
Bが聞き返した。このBが自分の友人である。
「あるんだよ…この時間なら空いてるから一時間かからないで行ける。行ってみる?」
ちょうど連休の時期で次の日に目覚ましをセットする必要はなかった。
Bは助手席から腰を浮かせて行こうと告げた。
ずいぶん山の方まで着たせいか、少し窓を開けると澄んだ空気が車内に雪崩れ込んできた。
片側に渓流が流れる道を走っていたら何の前触れもなくAがブレーキを踏んで路肩に車を停めた。
「ほら、あそこ…公衆トイレが見えるでしょ?」
本当に遠目からでも古そうな建物があった。
男子用の便器と個室がひとつずつあるという。
「あの個室の中に入るといるよ…」
「幽霊が?」
「そうだね…まあ、言ってみればわかるよ…」
Aは道中も具体的な話は避けていた。
ただ、自身もちゃんと二つの目で見たらしい。
「行かないの?一人で行かせる気?」
「俺はムリ…」
Aがこんなに及び腰なのは珍しい。
せっかくここまで来たのに確認しないのも情けないかなと、一人で行ってみる事にしたが、
ちょうど尿意をもよおしてもいたのだ。
近づくとやっぱり年季が入ったトイレだった。
入り口は両サイドから入れるようになっている。
いちおう通りに面しているが、時間が時間なだけに車はほとんど通らない。
振り返るとAの車が少し離れた位置でハザードを点滅させていた。























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