半分以上が涙目で、べそをかいてる子もいた。
「バカ、こんなとこで引けねーよ……!」
そう言い放ったカンタさえ、足がガクガクと震えている。
また幽霊の声が聞こえた。
「こっちおいで」「いかないで」「あぶないよ」
「じめんをみて」
視線が、祠周りの地面に集まる。
そして僕らは、祠の裏が崩れた崖際だと気付いた。落ちていたら大怪我じゃ済まないほどの高さ。
僕達はみんな悲鳴を上げながら、転がるように下山した。
友達の殆どは「幽霊の仕業だ!」とか言っていた。
でも、僕はあの祠にいた何かが助けてくれたように思えてならない。
祖父母にそれを話したら、「あの山の神様は、子供が好きだから」とだけ言った。
そんな記憶も色褪せた数年後。
僕はその山の付近から引っ越していたが、懐かしくなって来てみた。
以前よりも整備され、崖付近にはちゃんと注意の看板が立っていた。
僕はあの祠に、饅頭を供えて下山した。
何かが手を振っている気がした。
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