そして夏になり、祖父の初盆だったこともあって、私は久しぶりに実家に帰省することになりました。
私の実家は離島で、とても田舎です。
ちょっとスーパーなんかに行けば、ものすごい確率で知り合いに遭遇します。
昔はよく気まずい思いをしていましたが、もう私もこの島を離れて長いですから、そんなことはもうないだろうと思っていました。
かつてよく買い物をしていたスーパーに入ると、ひと組の親子とすれ違いました。
私はギョッとしました。
なぜなら、母親の顔面が包帯でぐるぐる巻きになっていたからです。ひどい怪我のようでした。
あまりジロジロ見てはいけないと思い、ささっとそばを通り過ぎると、その人に声をかけられました。
「……ゆみちゃん?」
それからその母親は、自分の名前を名乗りました。
彼女は、あーちゃんでした。
びっくりして私が何も言えないでいると、あーちゃんはこの姿を言い訳するように、一方的にしゃべりはじめました。
「久しぶりじゃね。うちこないだ事故に遭(お)うて、大怪我してしもうたんよ。やっと退院できたけ、実家に帰っとるんじゃ。久しぶりじゃね」
私は「うん、久しぶり」とだけ言ってその場を離れました。
ただ知り合いに偶然会ったからというだけではない気まずさを感じたからです。
本当にこれだけの話で、ただの偶然が重なっただけだとは思います。
でも、どうしてあーちゃんはすぐに私のことがわかったんでしょうか。
私は地元を離れて長いですし、髪型や雰囲気も当時よりずいぶん変わっている自覚があります。
もしかしたら、私が夢の中であーちゃんを殴り続けている間、あーちゃんの方も夢の中で私に殴られていたりして。
どうでもいいですけどね。
私はとにかく、あーちゃんの子どもがあんまり可愛くなかったのを見て安心しました。






















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