前のライターのことを、もう少し調べた。
SNSは八ヶ月前で止まっている。最後から二番目の投稿。
「見つけなければよかった。でもそれは選べない。見つけるんじゃない。向こうが見せてくるんだ」
最後の投稿。
「全員がそうだ。もう分からない。全員が」
それきり。
俺は今、この原稿を書いている。
線香の匂いは——もう自分の匂いなのか「それ」の匂いなのか分からない。
右肩の重さには慣れた。慣れたことが一番怖い。
一つだけ、分かったことがある。
「それ」は歩道橋にいるわけじゃない。人混みの中にいる。どこにでもいる。歩道橋はただの——出会いの場所だ。
見つけてしまったら、もう終わりだ。匂いが来る。重さが来る。日常のどこにでも「それ」が見える。
そして多分——この話を知った人間にも、ついてくるのかもしれない。
明日の帰り道。人混みの中。
一人だけ「違う」のがいたら。
目を合わせるな。
もう遅いかもしれないが。
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