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妖怪・風習・伝奇

ゆきんこさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

蛇狩り
長編 2026/02/02 14:53 289view

ばあちゃんの話を俺はぶっちゃけ当時かなり信じてた。
だからむちゃくちゃ怖くて、途中からはもうゲームボーイとかせずに、次はこれであってるのか?とか本当にかなり真剣にやってた。
茶化してくる奴もいたんだけど、当時これは蛇狩りって呼ばれてたことや、豊穣の舞にはペナルティーはないけれど、こっちはあるとか余計なことをいって4人のうち1人がかけて舞うことになったらやばいとかおもっちゃって適当にごまかしてた。

踊りの意味とか、そんなの考えたことなかったんだけど。
男が女のふりをして土地神の蛇を討つ話って思うとさ、しればしるほど。
絶対そうじゃんとしか思えないことがあるのな。
男の衣装じゃなくて、女と同じ衣装をきて、女のような化粧をすること。
顔を最初は布で隠して踊りが始まること。

ところどころ、そこで決められたポーズでとまったり。
踏ん張ったりってのがあって、踊りに踏ん張るポーズなんかねーだろって心の中で何度も叫んでた。

小6のガキにするとあんまりにも真剣だったんだと思うけれど、それをみてもう一人練習してる方もなんか、自分の家のばあちゃんにきいたのか知らないけれどかなり真面目にやってた。
そんな感じで3週間くらい毎晩練習して盆があけて夏の終わりにさしかかったころ神事があった。

当日は結構見物人がいた。
舞を見るためっていうよりかは、神事が終わった後、餅ちまき菓子まきがメイン。
普段はおかしだけなのに、この日は餅もまくし、おかしや餅を包んだ紙に小銭を張ったのなんかをまくんだ。
だからそれを拾うためにはいい場所に場所取りしないといけないらしくて、舞の時から地元の子供なんかもたくさんいてワイワイしてんの。

化粧して女巫女みたいな服をきて顔を布で隠してお堂にあがったら、なんかピリッとした緊張感が漂ってた。
目の前にいるのは、餅や菓子がまかれてるのを待ってる子供たちでさっきまで結構うるさかったのに上がったらなんかシーンとなんの。

視界に入ってる子供たちが静まり返ったというよりかは、様子を見るになんか1枚薄い膜があってあっちとこっちが隔たれて音があまり聞こえないみたいな変な感覚だった。
俺が緊張して音が遠くなったのかもしれないけれど……

俺だけか? と思って目くばせしたら他の連中の様子からして、同じ様に緊張してそうなってんのか、ここで何かあるのかはわからないけれども。
多分同じような現象が起こっていたのかもしれない。

なんだよこれと思ったけれど。
何か発する前に開始の合図の太鼓がドンドンドンってなったらもう何も発せられる雰囲気じゃなくて。

4/6
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