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呪い・祟り

ふじた薫さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

美人の鏡
短編 2025/07/11 03:33 2,770view
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今から2年前くらいの話かな、私は転職したから職場に近いアパートに引越したんだよね。

そのアパートは築40年のアパートをリノベーションした見た目だけは新築だけど、築年数は経っていたから家賃が結構安かった。転職したてで給料も少なかったから家賃に惹かれてすぐに引っ越した。

ある日、仕事に行こうと洗面所の鏡の前でメイクしているとふと、違和感があった。明確に言える訳ではないけどいやーな感じ?目が離せないみたいな感覚。

「……ま、いっか」

仕事の時間も迫っていたし、あまり考えず仕事に行った。今は少しこの行動を後悔しているんだけどね。

「……あれ?こんなとこにアザなんてあったっけ?」

最初の違和感から1週間後、いつも通り準備していると自分の顔にアザが出来ているのに気づいた。

アザと言ってもすごく薄いし、よく見ないと分からないくらいだったからその日はメイクでアザを隠して仕事に向かった。

「これ、何なんだろ?病院いった方がいいのかな?」

アザに気づいてから段々アザが濃くなってるし、アザが増えている。不思議なのが体の方には一つもアザがない。

最初は無意識のうちにどこかに顔をぶつけてしまったのかなー、と思っていたが流石にここまで増えるとそれは考えにくい。だったら病気なのかな、と悶々として仕事にもあまり集中できなくなっていたのが3日くらい続いていた。

「ちょっと、肌大丈夫?彼氏とかに殴られてるの?」

「あー、うん。彼氏じゃなくてなんか急に肌質が変わったのかな?アザがたくさん出来るようになっちゃって」

引っ越してから半年経った頃、私の肌はその頃にはメイクじゃ隠しきれないくらいアザが濃くなっていた。見た目が痛々しかったのか、すごく同僚や先輩に心配されて勧められるように半休を取り皮膚科にやっと行った。

だけど原因はわからずじまいで、適当に出された塗り薬を塗ってたけどやはり一向に良くならない。毎日毎日アザのことを考えていてストレスが増え続けていた。

「大丈夫?隈もすごいよ?最近ため息も多いし」

「やっぱりアザのことでずっと悶々としてて、だいぶストレス溜まってるかな……」

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