~終電の闇~
深夜0時45分。田中は終電に駆け込んだ。
車内には数人の乗客が座っていたが、誰も顔を上げない。電車がゆっくりと動き出すと、どこからか低いうめき声が聞こえた。
——うぅ……ぐ……あ……
田中はギョッとして辺りを見回したが、乗客たちは相変わらず微動だにしない。まるで、全員が死んでいるかのように。
「……気のせいか」
そう思い直し、窓の外に目をやる。暗いトンネルが流れていく。
だが、その窓ガラスに——
見覚えのない女の顔が映っていた。
ぼさぼさの長い髪、血の気のない肌、真っ黒な瞳がじっとこちらを見ている。
「——っ!!」
驚いて振り返るが、後ろの席には誰もいない。
田中は息を飲み、もう一度窓を見る。
今度は、車内の乗客全員がこちらを向いていた。
さっきまで俯いていたはずの彼らが、一斉に首をねじるようにこちらを向き、虚ろな目で田中を見つめている。
「お、おい……」
誰かに話しかけようとした瞬間、車内の蛍光灯が**バチンッ!!**と消えた。
暗闇の中で、ずるずると何かが這いずる音が響く。
「ああ……ああああ……」
呻き声が耳元で聞こえる。
田中は必死で手探りしながら立ち上がるが、足元が何かに掴まれた。
冷たい指が、足首を強く握りしめている。
「やめろっ!!」
田中は叫びながら足を振り払おうとする。しかし、何かが背後にいる。
首の後ろに、生ぬるい息がかかる。
「おまえも……連れていくよ……」
ゾクリとするほど冷たい声が囁くと同時に、背後からざりっと何かが擦れる音がした。
振り向いてはいけない——そう本能が叫んでいる。
しかし、体が勝手に動く。
田中はゆっくりと振り向いた。























コワすぎ!!
怖いっていうか、うんお幸せに
泣きそう
泣けるねー