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不思議体験

陰影さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

消えた従兄弟
長編 2024/05/11 12:31 13,496view
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「そりゃあアレだよ、じいちゃんち、金はあるのに家は他と比べて小さいじゃん?多分、この先にたんまり金塊とか宝石とか隠してるんだよ」

今にして思えば馬鹿馬鹿しい、いかにも子供らしい発想だが、当時の俺は何故か正也の言うことに妙な説得力を感じていた。

宝探しだと思えば恐怖心も和らぐもので、俺は正也と一緒に奥へ奥へと進んでいった。

しばらく進んでいくと、ようやく古そうな扉が見えてきた。

「お、ゴール!」

正也が我先にと扉を開ける。

しかしその扉の先に広がっていたのは、ただの広い草原だった。

「え?何ここ」

「さあ……じいちゃんちの近くにこんなところあったっけ?」

延々と続く、先の見えない草原。

周りに見えるはずの家や山すら見えない。

「……なにこれ、どうなってんの?」

「とりあえず戻ろう」

そう言って元来た扉を開けようとした正也が、あれっ!?と声を上げた。

あったはずの扉がなくなっている。

それどころか、祖父母の家すら見当たらない。ただ、何も見えない草原が広がっているだけ。

帰れない……

「とにかく、人を探そう!」

俺と正也は走り出し、誰か人がいないか探し回った。

しかし同じような景色が続くばかりで、民家のひとつすら見当たらない。

何処からか蝉の鳴き声は聞こえるが、背の高い木すら見当たらない。

これは夢なのか?現実なのか?

暑さのせいで頭がグラグラして何も考えられなくなる。

その時

「あ、いた!人、いたぞ!」

正也が大きく手を振った。

「すみませーん!」

正也が手を振る先には、カラシ色の着物を着た老婆がいた。

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コメント(2)
  • その場にいたような怖さを感じた。

    2024/05/26/21:29
  • 異世界への扉だったのかな

    2024/06/14/08:52

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