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不思議体験

泥沼さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

山道で出会った老婆
短編 2023/11/22 21:18 2,924view
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 俺の趣味はバイクに乗ることだ。
 自分が知らない道を自由に走るのが好きで、その日も遠出して山道を走っていた。

 右を見ても、左を見ても、緑一色。
 コンビニも無ければ、民家も何もない。
 あるのは虫の鳴き声と風で揺れる森林音。
 誰にも干渉されない癒しの環境である。

 山の頂上を目指して、バイクを走らせる。
 ただ、坂道を上っても上っても。
 目の前に見えるのは永遠に続く坂道だ。

 頂上で食おうと思っていたが、予定変更。
 小腹が空いた俺は途中でバイクを降り、昼食を取ることにした。スマホを触りながら、おにぎりをムシャムシャ食っていると——。

 車椅子に乗った老婆が目の前に居た。

 老婆は変な奴が居るという目で、こちらを見てきた。こんな場所で一体何をしているんだと、物語っていた。懐疑的な瞳である。

 変な奴ではありません。
 俺は良心な一般人ですよー。
 というのを証明するために、俺は軽く頭を下げて、ニッコリ笑顔を浮かべてみせた。

 だが、老婆は何も言わずに立ち去った。
 キィキィと車椅子が軋む音だけが響いた。

 変な婆さんだ。飯が不味くなったぜ。
 と思いながらも、スマホを触ってたら。
 不意にとある疑問が湧き上がってきた。

「あれ……? あの老婆どこから来た?」

 見渡す限りは森林のみ。
 民家はどこにもないのだ。
 永遠に続く上り坂しかないのである。
 もしも、上り坂から来たとして、あの老婆は車椅子に乗っていた。どうやって上まで戻るつもりなのだろうか。不可能な話である。

 また、今までに車ともすれ違っていない。

 俺は慌ててバイクに乗り、坂を降ってみた。老婆が向かった方向である。出会ってから、まだ五分も経っていない。会えるはず。

 そう思っていたのだが、老婆は何処にも居なかった。勿論、車椅子も見当たらなかった。ただ、果てしなく続く下り坂があった。

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コメント(2)
  • 山道で、突然車椅子の老婆が現れた時点で絶叫です。

    2023/11/23/02:35
  • で、バイクで走っていると後ろから車椅子の婆さんが猛スピードで追いかけてくんねんな。

    2023/11/23/08:17

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