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不思議体験

ナナカマドさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

話し声
短編 2023/09/12 13:07 6,545view
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そこまで馬鹿な人たちではないはずだ。
さすがにこんなに早く同じ過ちを犯すわけはない。

そんなことを考えていると、月明りに照らされた部屋が陰る。
月が雲に隠れたのだろうとも思ったが、すぐに月明りは戻ってきた。

そんなに雲の流れが速いのだろうかとカーテンの隙間から外を覗く。

何かがいる。

黒い何かがそこにいた。

ベランダの柵の向こう、黒い大きな何かが波打っているように見える。
よく確認しようとベッドから起き上がろうとすると、目が覚めた。

なんだ、夢だったのかと安堵し、もう一度眠りにつくのに体制を変えようとする。

動けない。

自慢じゃないが今まで金縛りになんてあったことは無い。
どうすればいいのか何て分からない。

目覚めたときに一瞬開いた目も今では瞼が持ち上がらない。

手も足も、まるで動く気配がない。

怖い話を見聞きするのは好きだが、実際にこの身で体験するのは無理だ。

怖い話を聞いた日の夜中のトイレは怖いのだ。
髪を洗う時は度々背後を確認してしまう。

金縛りにあうなんて怖い話の鉄板だ。
枕元に幽霊が立っていたり、馬乗りされたり。
急に足を掴まれたりしたら意識を保てる自信はない。

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