緑のおばけ

僕が4歳の頃のお話です。
その頃、実家が新築を建てるとの事で近くの古い平屋の長屋の一角に仮住まいしていました。
部屋の形が凹の形をしていて、凹んでいる部分に庭？がありました。トタンで囲まれていて私の家ではそこは洗濯物を干すスペースとして使用していました。

夜になると両親、兄、私、妹の5人で川の字に並んでいつも寝ていたのですが、寝る前にオシッコをしなさいと言われて兄と2人でトイレに向かうと3歳上の兄がトイレの前で立ち止まって震えていました。
私も兄の視線の先に目をやると、洗濯物を干していた外のスペースに薄い緑色のモヤモヤ(スライムみたいな、煙みたいな)がいました。
大きさとしてはウサギぐらいの大きさだったと記憶しています。

私と兄は叫びながら両親の方へ行き、その緑色のモヤモヤの事を伝えて父親が一緒に見に行ってくれたのですが、父親には全く見えていませんでした。
その緑色のモヤモヤはこちらに危害を加える事はありませんでしたが、見えている兄と私は当然怖くて仕方ありませんでした。

トイレも何とか終わらせ寝てしまえば大丈夫だと思ったのですが、ふと視線を感じ、その方を見ると部屋の中のタンスの上にその緑色のモヤモヤがいました。
飛び起きて両親にもう一度言っても見えていないので当然信用してもらえず、逆に怒られてしまうという経験をしました。

布団の中に潜って、目を瞑っていたら眠ってしまい、次の日からはその緑色のモヤモヤを見かける事はありませんでした。

昔の事でもあるので、自分の変な記憶と思っていたのですが、20年以上たった兄もその記憶があり確かな事だったと思っています。