最後の別れ
投稿者:10cc不知火 (2)
短編
2023/02/23
00:19
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母方の親族は霊感が強く、母もその姉も私も霊感があるが、恐らく母が一番強いだろう。私は小さい頃から霊感が強く当てられやすく、よく体調を崩しては、母に背中を払ってもらっていた。
そんな私を叔母は心配していた。他の姉妹よりも特に可愛がって、いつも気にかけていてくれた。そんな叔母に病が見つかった。もともと細身であったが、余命わずかと宣告された叔母は、骨と皮だけのようだった。「また来週お見舞いに来るね」と言った私に、叔母はただ頷いた。
ジリリリリと、警報機のような音がして進んで行くが、あたりは煙のようなもので白く何も見えない。それでも進むと突然目の前に叔母が現れた。
「もう大丈夫だよ。ありがとうね。身体に気をつけるんだよ。おばちゃんはもう行かなくちゃいけないから、お母さんを大事にしてね。おばあちゃんにももっと会いにいくんだよ。いいね」そう言って煙の中にふわっと消えて行ったのだ。
ハッと目を覚まし、涙を流していた事に気づいた。大きな音がして部屋へ向かうと、仏壇の扉が開いて灰や位牌が散乱していた。立ち尽くす私のもとに、母がやってきて「おばさん亡くなったって電話きたよ」と教えてくれた。
お見舞いに行く日、叔母は私に最後の別れを言いに来たのだ。
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