隣の家の変わったおじさん
投稿者:きぬよのこ (1)
短編
2023/01/18
00:10
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これは、私が小学校低学年だった頃のお話です。
当時住んでいた家のお隣さんに変わったおじさんがいました。
大声で意味不明なことを叫ぶ。ご近所さんの玄関前で小便をする。
物を壊すのは日常茶飯事で、本当に怖い時には刃物を持って町内を歩き回るという状態でした。
私は両親から「お隣さんには関わるな」と言われていたため、おじさんの顔は見たことがありません。
家の中にいると、「何か騒いでいる声が聞こえるな」くらいでした。
ある時、学校帰りに買った本を公園で1人読んでると、1人の男の人が私の座っていたベンチに腰掛けました。
「ねぇ、1人?」「それってどんな本?」
「こっち向いてくれないかな?」
変な人に話しかけられて怖かったこともあり、私は黙って本を読み続けました。
私がその男の人を無視し続けたせいか、その男の人はふっと消えていなくなりました。
私は恐怖心から走って家に帰り、家事をしていた母親に「変な人から声を掛けられた」と申告。
母親が警察へ連絡して、パトカーが出動する事態となりました。
公園付近で捕まったのは、なんとお隣の変わったおじさん。
しかも、手には大きな裁断鋏を持っていたそうです。
それを聞いた私は心から震えてしまい、その日は親と一緒に寝たほどです。
あの時、おじさんの声に耳を傾けていたらと思うと今でも本当にゾッとします。
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