あれは夢だったのだろうか
投稿者:照帆弥 (1)
「向かいの家に霊道が通っている」
私の同級生では周知されていた。
その子の家ではよく不思議なことが起こる。
そしてその近くだからなのか、私の家には、子供と女の人の幽霊がいた。
夜中になれば足音がする。
もちろん家族はみんなそれぞれの部屋にいる。
たまに友達が泊まりに来れば「いま妹ちゃん通った??」って聞かれるが大体そういうときは妹は泊まりに行ってて、家にいなかったりする。
そんなことが日常茶飯事で心霊になれきってしまっていて油断していた私はある日悪夢を見た。
夢の中でガタイのいい短髪の男に押し倒された。
馬乗りになられて何か怒鳴られ続けている。
「…ろ!!!お……!!!!!!」
何を言われているのか全くわからない。
でも苦しい、息ができない、怖い。
そんな思いで必死に押しのけようとした。
するとだんだん男の声がはっきり聞こえてきて少しずつ聞き取れるようになった。
「起きろ!!!!起きろ!!!」
いや、起きたいねん、こっちは起きて逃げたいねん!
夢なのはわかっとる、さっさと起きてくれ
どいてよ!
怖いを通り越しイライラし始め頭の中で怒鳴り続けた。
すると男はスッと立ち上がってどいた。
その瞬間パッと夢から醒めた。しかし、安堵したのもつかの間、寝起きの私の耳に足音が遠ざかるのが聞こえた。
私のベッドから妹の部屋へドタドタドタと。
嫌な予感がした。
何がかはわからない。
しかしその嫌な予感は当たった。
妹が急に泣き叫び始めた。
私は飛び起きて妹の部屋へ駆け寄った。
妹は寝ながら泣いていた。
嫌な予感が離れず必死に妹を揺さぶり「起きて!!早く!!」と起こした。
はた迷惑な霊ですね。