誰がいたの？

今から8年くらい前、上の子が2歳くらいの時のお話です。
私と息子と２人で、お盆の時期に私の実家に帰省をしていた時のことです。
その日は特に用事もなく、私の父、母、私、息子のみんなでソファに座ってくつろいでいました。
そのうちに息子が色鉛筆をみんなに「はい！どうぞ」と言いながら順番に配っていくという遊びを始めました。
父に配り、母に配り、私に配ったところで、また父に戻るのかと思ったら…。
「はい！どうぞ」
誰もいないソファに色鉛筆を置いたのです。

しかもただ無造作に置くのでなく、誰かがいたとすればその人の手があるであろう位置に置いていったのです。
その後も息子は何度もその場所に
「はい！どうぞ」
と言いながら置いていきました。
私たちはちょっとした恐怖を覚えましたが、息子もまだ小さかったので、もしかしたら遊びでやっているだけなのかもしれないとも思い、息子に深くは聞かずにその遊びは終わりました。

そして数時間がたったころです。
突然息子が天井の方に向かって、

「じゃあね。ばいばい。」
と言って手を振ったのです。
当然そこには誰も、何もいません。

私たち大人には何も見えなかったので、息子に何が見えていたのかはわかりません。
ただ、息子が怖がっている様子もなかったので、お盆だしもしかしたら亡くなったお祖母ちゃんたちが帰ってきていたのかもしれないねと言い合いました。
その後、息子に何かが見えたことは一度もありません。
あの出来事は何だったのでしょうか。