向こう側のあの人達
投稿者:あおによし (1)
車で遠出をした時、サービスエリアに立ち寄るとふと昔のことを思い出します。
私が小学生の頃、家族と親戚で旅行に出かけた時のことです。大人数なのでバスをレンタルしてみんなで乗って行き、道中はいろんな話で盛り上がり楽しく過ごしていました。途中、休憩のためにサービスエリアに立ち寄ることになりました。トイレを済ませ、その後お店があるのでちょっと見ていくことになりました。私はバスに残っている人に声をかけに1人で戻りました。私も早く店を見たかったのもあり、また1人で走って店に向かったのですが、入口でスピードを緩めました。店から出てくる人が2人いたからです。バスガイドさんの制服に帽子を被った女性と50代くらいの男性が並んでこっちに向かっていました。
私はあの人たちが出るのを待ってから入ろうと思い、扉の端の方によけたのですが、相手は無反応。せっかく良かれと思って譲ったのに!と当時の私は少しムッとしたのを覚えています。早く通って欲しいと思った直後、2人は入口の手前で右に曲がりました。外に出ると思ったのに勘違いだった様で、勘違いした自分が恥ずかしくなりました。でも絶対にこっちに来るような感じだったのに…。そう思いながら中に入った私は一瞬何が起きたのか分からなくなりました。
あの人達が曲がった先に道は無かったのです。
そこは壁でした。喉がヒュッとして息を呑み、恐る恐るあたりを見渡したのですが、あの人達はいません。
その後すぐに母の元に走っていってバスに乗るまで離れませんでした。
その後、その出来事を口に出すのも怖くて、サービスエリアからかなり離れてから親戚のお姉ちゃんにこっそり話しました。お姉ちゃんは、きっと後ろにいた人が反射で扉に映っていたんじゃない?と言いましたが絶対に違いました。
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