電車のホームで叫ぶ男
投稿者:LordKK (1)
短編
2022/11/08
21:27
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学生時代の話です。
私が部活動を終え夜8時ごろ電車で自宅の最寄駅に到着し車両を降りると、ホーム全体が少し騒然としていることに気づきました。
その雰囲気を不審に感じた瞬間、ホームのどこからか男の人の低い声で「おーい!!」という大きな叫び声が聞こえました。
それを聞いて私は不安になると同時に、少し憂鬱な気分になりました。というのもその男の声のする方に、私がいつも利用している出口があったのです。別の出口を利用する手もあったのですが、早く帰りたい気持ちと怖いもの見たさの気持ちが勝り、私は声のする方に歩みを進めました。
ゆっくりと進む間もおーいという声は絶えず聞こえてきました。そして声の主の姿を見たとき、私はほっとした同時にと少し落胆しました。声の主はホームに設置してあるベンチにもたれかかって、寝言でおーいと叫んでいたのです。
なんだ寝言かと思い、再び歩みを進めた私は再度、その男の顔を見た瞬間、全身の血の気が引きました。なんと、その男は私の父だったのです。
私は思わず口をあんぐりと開けて、瞬間的に時が止まったような感覚に襲われましたが、すぐにここを離れろと誰かに言われた気がして、早歩きで帰宅しました。
今も父とは一緒に暮らしていますが、あの日見たことは父にはいまだに話せていません。
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酔いつぶれて寝ていたに違いない。
地味に嫌だなこれ
もし酔ってなかったらそれはそれで怖い
酔ってても素面でもキツい