おじいちゃんのお告げ
投稿者:環菜 (5)
今から20年ほど前の話です。
当時私は成人したばかりでした。
私が中学生の頃に病気でおじいちゃんは亡くなっていました。
よく、「枕元に亡くなった親族が出てきてお告げを言ってくれた」なんて話はよく耳にしていたのですが、少し変わったシチュエーションでおじいちゃんに会いました。
私はその日、仕事へ向かう途中に歩いていると、なんとなく見覚えのある人が立っていることに気づきました。
行かないといけないような気がしてその人の近くに寄ってみると、なんと亡くなったおじいちゃんだったのです。
いつものように深々と帽子をかぶりきちんとした格好でいました。
おじいちゃんはすっと立っていて、私は驚き夢なのかと言葉が出ず、見つめていました。
すると、おじいちゃんは「家から離れなさい」と一言。
そう言って消えてしまったのです。
私は本当に夢なのかと思い急いでもないのに駅まで走っていきました。
駅についても夢じゃないこと確認するとおじいちゃんの言葉が頭を何度もリピートしていました。
私は当時家族間のトラブルで毎日が苦痛で仕方がなかった時でした。
私はこの状況を脱するためにおじいちゃんがアドバイスしに来てくれたものと思いました。
そして、私はおじいちゃんのお告げ通りに実家を出ることにしました。
親にはとても反対されましたが、その時は不思議とそうするしかないと思いました。
金銭的に辛い状況になるのは覚悟でした。
そして一人暮らしを始めて少しすると、仕事が上手くいくようになり、喧嘩ばかりだった彼とも上手くいくようになりました。
家族は相変わらずでしたが、断ち切ったことで心が軽くなり元気と明るさを取り戻せました。
おじいちゃん子だった私。
ずっとおじいちゃんは私の事を見守っていてくれたんだと思いました。
私はおじいちゃんにお礼がしたくてお墓参りに行きました。
今でもおじいちゃんは遠くから見守っていてくれていると思っています。
いつかまた会える日まで私はおじいちゃんにちゃんとした生活を見守っていてもらいたいと思っています。
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