待っていてくれた義母の話
投稿者:こざりの (1)
短編
2022/09/26
16:10
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主人のお母さん、私にとっての義母が亡くなったときの話です。義母はかねてより病気を患っていてある程度の余命宣告も受けていたため、元気なうちに思い出を作ろうと私たち夫婦や子どもたちと一緒に旅行に行ったりして過ごしました。ついに義母の容体が悪くなり、危篤状態となったため主人のみ東北の自宅から関東にある実家へ夜のうちに向かいました。
主人が出発してから数時間後に、震度6の地震が発生しました。高速道路で運転中だった主人は何事もなく無事に関東の実家へ到着できました。まだ義母は生きていたため「来れたら来てほしい」と言われ、関東へ向かおうとしたところ昨晩の地震で新幹線や在来線は止まってしまいました。その日向かうことは諦めつつも、奇跡的に高速バスが取れたため、次の日子ども2人を連れて私も関東へ向かうことになりました。
地震による影響や渋滞などで、ふだん高速を使って5時間ほどで到着する道のりが8時間ほどかかってしまいました。途中何度も「間に合ってほしい」と祈りながら向かいました。関東の実家に着いたとき、まだ義母は生きて待っていてくれました。
その日の夜、近隣に住む義妹の家族も泊まり義母を囲んで孫が集まりワイワイ過ごしました。その日の夜中、義母はそのまま眠るように息を引き取り、亡くなりました。私たちが来てくれるまで待っててくれたのだと今でも思っています。
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