とある女の子の少し不思議な話
投稿者:のあ (3)
数年前に一時期、夫の転勤に帯同してとある地方都市に行きました。その頃、子供はちょうど3歳になったばかりで幼稚園に通う年齢でもなく、お友達もいないけれど、晴れた日には子供にせがまれ家の近所の公園に行くようになりました。
その公園には何組かの親子がいて、通うにしたがって当たり障りのないことを話すようになり、子供はそこで会うお友達と遊ぶようになりました。私も遊びに来ている親子の中で、子供よりも少し年齢が上の女の子のママとよく話すようになりました。
すると、しばらくしてそのママが第二子を妊娠したと言いました。
おめでとうなどとよく言うお祝いの言葉を私は言いました。そのママもありがとうと言い、その後、私にこのようなことを言いました。「子供ってすごいですよね。もう一人、欲しいとは思ってはいたけれど、まだ妊娠したかも分からない時に、あの子(そのママの娘さん)が赤ちゃん来てたねって言ったんですよ。」
私はこの話を聞いてへぇ~、本当なんだと思いました。というのも、この手の子供の話は以前にもどこかで読んだか聞いたことがあったからです。でも、その程度で特にその女の子について何も思いませんでした。
それからしばらくしてからのことです。その女の子がそのママがちょっと離れたところにいて、他の2人のママさんがいる時のことです。その女の子が何を思ったか、私のところにとっとっとと寄ってきました。
そして、唐突に〇〇ちゃんという女の子の話を始めました。「あんな、〇〇ちゃんはな学校に頑張って行ってたんだけど、どうしても嫌で許せないことがあったんだって、目をぐっと閉じて□□から飛んだんだよ。」と言いました。
私は言葉に窮しました。あのママは見かけによらず、随分過激な内容のアニメを見せているんだと思いました。とはいえ相手は子供です。「ふーん、そうなんだ。〇〇ちゃんは恐かったろうね。」というのがやっとでした。その子はうんと言って、また何事もなかったように遊びに戻りました。
一緒にいた二人のママにも聞こえていたようでした。一人のママは普通にしていましたが、もう一人のママはちょっと微妙な顔をしていました。私は私と同じ事を思っているんだと思いました。
その時はそれで済んだのですが、後日、微妙な顔をしていたママが、あの子、不思議なこと言う子だね、〇〇ちゃんというのはその公園近くの校区の学校に通っていた女の子のことだと思うと言いました。しかし、それはずっと以前の話で、どうしてあの子が知っているか分からないと言っていました。
正直、ぎょっとしました。それから数回、あの女の子とママに会いましたが、いつの間にか彼女たちは公園に来なくなりました。真相は闇の中です。私は霊だの、何だのは信じないタイプです。しかし、今になって思えば、あの女の子には不思議な力が本当にあったのかもしれないと思ったりもします。
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