写真に込められた想い
投稿者:煩悩 (3)
これは10年くらい前に私のおじいちゃんから聞いた話。
私には叔母さんがいた。そう、おじいちゃんの娘である。その叔母さんが癌で15年ほど前に亡くなった。まだ40代だったと記憶している。
おじいちゃんと叔母さん家族は当時同居していた。叔母さんの旦那さんもお子さん達もおじいちゃんと良い距離感で生活できていたはずだった。
ところが叔母さんが亡くなって葬儀が終わった途端、旦那さんやお子さん達の態度が変わってしまった。光熱費を払わなくなったり、一緒に暮らしていたおばあちゃんに暴言を吐くようになった。
精神的に追い詰められたおばあちゃんはあまり部屋から出てこなくなった。おじいちゃんはもう同居しなくていいと伝えたらしいが、叔母さんの旦那さん達は頑なに出ていかなかった。
それから5年ほど経った頃、おじいちゃんはふと夢を見たそうだ。その夢には叔母さんが出てきて、おじいちゃんに話しかけてきた。
「物置のタンスのある部分に写真がある。落ち着いたら飾ってほしい。」
翌日、叔母さんに言われた通りおじいちゃんが物置のタンスを探すと、額に入った写真が出てきたそうだ。
それから1年も経たないうちに急に叔母さんの旦那さん達が同居を解消しおじいちゃんの家から出ていった。
おじいちゃんは叔母さんに言われた通り、写真を飾った。その写真はおじいちゃん、おばあちゃん、叔母さんの家族皆が揃って笑ってる家族写真だった。
旦那さん達が出て行った後、おばあちゃんも少しずつ元気を取り戻し、今は老夫婦2人、仲良く暮らしいている。
私がおじいちゃんちに行くと、いつも嬉しそうに写真の叔母さんを見ながらおじいちゃんはこの話をする。
今は幸せなんだそうだ。
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