立派な石段、実は・・・
投稿者:一ノ森 (4)
私の母が子どもの頃の話です。
母の実家の敷地内には無縁仏様が祀られています。その無縁仏様にまつわる不思議な話です。
母は長女で6人の弟妹がいます。
実家は周囲を山に囲まれており、家屋の上に段々畑が二段ありその上に車が一台やっと通れるほどの細い道。
その道を挟んで墓地があります。
実家からその細い道まで畑の中を通るあぜ道があるのですが、斜面のため雨が降った後は滑りやすく危険だったといいます。
ある日、あぜ道が立派な石段になっていました。祖父が母たちのために階段を整えてくれたのです。
喜んだ母たちは上ったり下りたり、存分に楽しみ祖父に感謝したのだそう。
しかし、異変が起こり始めました。
母をはじめ石段で遊んだ弟妹たちが原因不明のひざの痛みを訴えたのです。
転んだわけでもない、ぶつけたわけでもない。
けれど歩くのに支障をきたすほどの痛みだったといいます。
あまりの石段の立派さに疑問を持っていた祖母が、祖父を説き伏せて石段のひとつを掘り起こしてみました。
「○○家先祖代々之墓」
そう彫られていました。
なんと、すべての石段が墓石。
祖父曰く、守り人がいなくなり廃棄同然に置いてあった石だからいいと思ったと。
信仰の厚い祖母は激怒。墓石を足蹴にしていたなんて罰が当たって当然!と祖父を叱り飛ばしたとか・・・。
お寺へことのあらましを話し、敷地内に無縁仏様として祀りお世話をしていくよう手配をしたとのこと。
その後、母たちのひざの痛みは徐々にひいていったそうです。
じいさんが怖ぇよ