私だけが見えた白い影
投稿者:一瀬 (3)
短編
2022/06/04
08:46
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かなり昔の話ですが、学生の頃、とても不思議な体験をしました。
夏の暑い日に、家族みんなでテーブルを囲んで団欒していた時です。暑かったので、窓を開けていたところ、その窓の外を白い物体がサッと通り過ぎた感じがしました。座っていた場所から、私だけがその白い影に気付いたのですが、すぐに外を見てみても、誰もいなく、気のせいではないかということで、その時は済まされました。
後日、自宅の斜め前のお家で、不審死がありました。お年寄りの男性がお一人で住まわれていたお家でした。不審死と言っても、幸い、他殺や事件のようなものではなく、死後何日間か経ってしまって、誰も気付かなかったというものでした。
そのことがあって、私が見た白い影は、そのご近所さんが来たものではなかったのかという、想像ですが、そのような話になりました。
私としては、なぜ私だけが気付いたようになったのか、とても不思議でした。そのご近所さんとは、会釈などの軽い挨拶すら交わしたことがなかったので。
誰かに気付いてほしくて、そのようにサインを伝えてきたのかなと、今はそう思います。
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