お化けは本当に白いのか
投稿者:すず (4)
短編
2022/01/25
07:16
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高校生の頃、訳あって兄と二人でアパートに暮らしていたことがあります。
私は俗にいう霊感というものが全くと言っていいほどなく、テレビで心霊写真が出ていて「ここです!」と丸をされても、え?どれがお化け?とわからないほどでした。
私が兄と暮らしていたアパートは川沿いにあり、日当たりがとてもよくて日中はとても暖かく、穏やかで気持ちが良かったです。
その日も晴れており、布団でも干そうかな、と布団を持ってベランダに出た時に、ふと何かを感じました。この何かを感じたということが自分に起こったことにまず驚きました。
そして、なんだろう?と布団を持ったまま私は考えました。
しばらくすると、私の脳内でまるで舞台のセットのようにアパートの部屋を横から見るようなイメージが脳内で湧いてきました。
すると、玄関の向こうに白い服を着た三つ編みの私と同じか少し上くらいの年齢の女の人が立っているのです。
そしてこちらを見ています。
その時、怖いという感覚は不思議なくらいなく、ああ、立っているな、と思うくらいで、それが逆に怖く感じました。
もしかして、金縛りとかになっているかな、と思いましたが、体も自由に動き、布団を竿に干し終える頃、そのイメージも消えていました。
あの女の人がお化けなら、本当に白いんだな、と思ったのですが、後にも先にもあれが最後の経験でした。
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