あるお盆の夜のメッセージ

結婚後間も無く、同居することになりました。

義母はすでに病気で他界しており、義父と夫との３人での生活が始まりました。義母はすごく優しい方と近所でも評判で、一度も会えなかったことがとても悔やまれました。
１ヶ月後、私にとって義実家での初めてのお盆がやってきました。
13日に、義父と夫と私の３人でお墓にお迎えに行った日のことです。その日の夜、いつも通りにリビングで過ごしていました。義父は2階の自室に、夫はお風呂に入っていたと思います。リビングには私1人でした。
突然、かわいらしい音楽が聞こえてきました。私は驚いて、どこから音楽がなっているのかリビングを見渡しました。すると、壁にかけてある時計が何やら動いています。仕掛け時計が、ゆっくり動きながら心地よい音楽を奏でていました。
私はとても驚きました。なぜならその仕掛け時計は今まで一度も動いたことを見たことがないだけでなく、電池すら入っていないからです。なぜか突如鳴り出したその時計を、音楽に包まれながら私はじっと眺めていました。すると不思議な感覚に陥りました。
「ああ、きっとお義母さんだ」そう感じました。他界してしまった義母が、「これからよろしくね」と優しく語りかけてくれたように感じられたのです。時刻はちょうど19時でした。

あれ以来、時計が動くのを一度も見ていません。当たり前です。電池が入っていないのですから。しかしあの日の夜も、電池は入っていませんでした。お迎えに行ったお盆の日の夜、義母が私にだけこっそりとメッセージを伝えてくれたような気がした、不思議な出来事でした。