実体験、大学寮での不思議な思い出
投稿者:えありす (1)
東海地方の大学で2回生になる直前の春、大学の寮で体験した話です。
その寮は1回生、2回生を入居対象としていました。
私たち5人は寮の役員として、新入生を迎えるために、
他の寮生より数日早く寮にもどり、準備作業をしていました。
寮は200人ほどの収容人数ですが、そのときは我々5人だけでした。
管理室に集まって新入生の名札を作っていたところ、深夜になってしまいました。
「あ~、もう疲れた。もう明日にしようよ」
「あとちょっとじゃん!がんばったら明日楽だよ!」
「うっそ、まだやるの?」
ぐだぐだと話しながら作業をしていると、管理室の隣の居室から大音量で音楽が流れ始めました。
「えっ?」
「なに?」
音楽はどんどんどんどんボリュームを増してきます。
ありえない状況に、私たち5人は耳をふさぎながら、恐る恐る隣の居室101のドアに近づきました。
中からはもう、耳をつんざくような音が響いています。
寮長が言いました。
「開けるよ!」
他の4人がうなずき、寮長が息を止めてぱっと扉を開けると、音楽はピタッととまりました。
「え…」
101室は静まり返っていました。
一瞬、自分たちの勘違いだった?と思ったくらいです。
副寮長が電気を点けると、新2回生の荷物の段ボールが山積みになっていました。
数日前に送られてきたそれらの中に、オーディオがありました。
「これだったんじゃない?」
「新しいっぽいから、何も入ってないんじゃない?」
「でも、おっかしいなぁ…この部屋だったよね?」
「絶対ここだったよ、みんな聞いてたじゃん」
5人で首をかしげながら管理室に戻ろうとすると、また音楽が流れ始めました。
「やだ!怖い!!」
みんなで管理室に駆け戻ると、部屋の天井の隅から「ふふふ…」と笑う女性の声がしました。
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