私の奇行
投稿者:人狼の犬 (2)
短編
2022/01/17
18:12
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これは私が小さい頃のお話です。
とは言っても私はまったく覚えておらず母から聞いた話になります。
私には生まれた時からたいそう可愛がってくれたひいおじいちゃんがいました。
私自身あまりにも幼かった為顔や声はなんとなく覚えているのですがどんな事をしてくれたとか何をして遊んでくれたか等はほとんど記憶にありません。
ただ私がひいおじいちゃんをとても好きだった事だけは覚えているのです。
そんな彼も歳を取り身体が弱り入院する事になってしまいまして。
母いわく一緒にお見舞いに連れて行ってあげたかったらしいのですが入院先は田舎の病院だった為、時間を見つけて幼い私を連れて行くのが厳しくなかなか
会いに行けない状態でした。
ここからのお話は私自身まったく記憶にないものになります。
とある日の晩、深夜皆が寝静まった頃。
母がふと目を覚まして、玄関付近にあるトイレへ向かおうとした時に人影があるのを発見しました。
恐る恐る見るとそれは真っ暗闇の中扉に向かって正座している私でした。
「何をしているの!?」と驚き叫ぶ母に対して私は何事もなかったように、ただ自分でもなぜ玄関に居たか理解してないようでした。
その次の日ひいおじいちゃんが亡くなった知らせが届きました。
死亡時刻は深夜皆が寝静まる頃。
私が玄関に正座して頃と一致していました。
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なんというか、リアル
実は誰しもが死者の音を聞いているのかもしれないですね