死体との奇妙な遭遇
投稿者:QP (5)
これは私がまだ学生の頃の話です。
電車通学でしたので、朝いつも通りにホームで電車を待っていました。
いつもの電車が来たのですが、近くから『ゴン!』という何かがぶつかった音が聞こえました。
何だろう?と思いながら前を通り過ぎる電車を見ると、鮮やかな赤い色が目に入ってきました。
程なく辺りが騒々しくなり、人の視線が集まっている方に目をやると、人が倒れているのですが、首から下しか見えません。
駅員さん達が急いで駆けつけて引っ張り出していましたが、顔を見合わせて首を横に振っているのがわかりました。
私の並んでいたホームのほんの数メートル先で人身事故が起きていたのです。
それだけでも中々起こらないような体験ですが、不思議な体験は実はそこから始まります。
それから半年の間に、道端に倒れていて後日亡くなったことが分かった人に2名も遭遇してしまいました。
そして本当に何故だか分からないのですが、私がその方が倒れている真横を通り過ぎる瞬間が必ずあり、しかもその瞬間だけ空間が切り取られたかのように私以外誰もその場にいないのです。
通り過ぎて振り返ると、もうそこには人が戻ってきていました。
また、家の庭掃除を手伝っていると、隣の家の猫が近づいてきて私の足元に何かを置いて立ち去っていきました。
見てみるとそれはモグラの死体でした。
そんな形で初めてモグラの実物を見たのもショックでしたが、まるで何か献上するかのように猫が死体を置いていったのを思い出す度に奇妙な気持ちになります。
いつの間にか死体を見なくなりましたが、あんなに短期間に何体もの死体に出会ってしまったのは何だったのか。
今も不思議でなりません。
猫のモグラは違うような気がする。