気味の悪い旅館の話
投稿者:ふぁみちき (1)
これは私の高校時代、修学旅行中に体験した話です。
私の通っていた高校では、修学旅行は毎年同じ旅館に宿泊することになっているのですが、実際にその旅館に宿泊した生徒達は、修学旅行から帰ってくると、「あの旅館絶対なんかヤバい」とか「なんか気持ち悪かった」などと口を揃えて言うのです。
しかし当時、幽霊の類を全く信じていなかった私は、先輩達のそういうノリなんだろうな程度に聞き流していました。
そして、ついに私達の代も修学旅行へ向かうことになりました。一日観光をして、泊まる予定の例の旅館に到着すると、その建物の外観は木造で、年季の入ったというか、ハッキリ言ってボロボロで気味の悪いものでした。
先輩達はこの旅館の雰囲気に呑まれたんだな、などと思いながら中へ入ると、内観は外観よりもさらにボロボロで、単純に「修学旅行で何故こんな所に泊まらなければいけないのか」と思った事をハッキリと覚えています。
各クラス部屋割に従って部屋へ入ると、10畳ほどの和室で床の間には大皿が飾ってあり、窓からは渓谷が見え、景色は物凄くよかったのも印象的でした。部屋に荷物を置くと、学年全体でのオリエンテーションがあり、全員が大広間に集められたのですが、しばらくすると、クラスメートの女子の一人が「なんか気持ち悪い」といって部屋を抜けていきました。
そして、それを皮切りに四、五人ほどが同じように「気分が悪い」と言って部屋を抜け出していったのです。
この時点でもまだ私は「長時間バスで山道をのぼって来たから、酔ったんだろう」程度にしか思っていませんでしたが、周りの生徒達は「やっぱりなんかヤバいんじゃない?」という空気になっていました。
さらにオリエンテーションで判明したのは、この旅館の各部屋には個室トイレが付いておらず、一度廊下へ出て共同のトイレを使わないといけないという事、二階建ての旅館で1階に男子、2階に女子の部屋があり、就寝時間には交代で先生達が廊下を見張る、という事でした。
それからしばらくゆっくりして、晩御飯を食べて大浴場でお風呂に入り、あっという間に就寝の時間になりましたが、そこは高校生の男子生徒、すぐに眠りにつくワケはなく、部屋にいる6人で、好きな人の話や将来の話、女子の部屋に忍び込もうかなどと馬鹿な話をしたまま、時間は夜中の3時を超えてしまっていました。
流石に寝ないと翌日の予定についていけないと思い、全員で一旦寝ることにしました。
それから30分程して、私はトイレに行きたくなったのですが、部屋にトイレは付いておらず、共同トイレには灯りのほとんどない廊下を通っていかなくてはいけません。時刻は夜中、流石に気味が悪かったので、隣に寝ていた友人を起こし、一緒にトイレに行くことにしました。
廊下に出ると丁度担任も先生が見張りの当番だったらしく、椅子に座って懐中電灯を持った先生が椅子に座っていました。「トイレ行ってきます」と言うと先生はこちらに懐中電灯を向けて僕を照らしながら「あいよ」と返事をしました。
トイレの電気はついており、私は小便器へ、友人は大の個室へと入っていきました。私は用を足して友人が出てくるのを待っていたのですが、急に個室の中から唸り声が聞こえ、苦しそうな声が聞こえて来たのです。
私は慌てて「大丈夫か?」「どうした?」など声をかけながら、扉を開けようとしたのですがカギがかかっており開けられませんでした。私は助けを求めるべく、廊下に座っている担任の元に走り「なんかアイツ体調悪そうなんだけど、個室のカギがあかなくて!」と私が言うと、担任はキョトンとした顔で「アイツって誰だ?」と言いました。
そこでハッと気がついたのですが、私は一緒にトイレへ向かった友人が誰なのかわからなかったのです。それでも、慌てていた私が「さっき俺と一緒にトイレ行った奴!」と言うと、担任は不思議そうな顔でこう言いました「お前、一人でトイレに行ったじゃないか」と。
怖かったw
いたんだけど消えて忘れた
盛り上げるための情景、旅館の描写や修学旅行の描写が長尺で描かれているのに、
オチがあっけなくて弱いのが残念でした。
オチ自体を悪く言いたいわけじゃないんです。
このオチであれば、(読み手にとっては)ここまでの文章量はいらないよということなんです。
友人なのに誰かわからないのか…(困惑)
これと同じように肝試しに行った友達が一人いなくなってその人のことを誰も思い出せないみたいな怖い話結構あるけど側から見たら滑稽だよね(笑)