奇々怪々 お知らせ

不思議体験

XOさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

精神科病院の公衆電話
短編 2021/12/09 19:10 1,476view
1

私は精神科病院で10年程働いています。これは私が夜勤中に体験した不思議な体験です。

私の働いている精神科病院は患者さんが医者の許可なく外に出れないよう病棟からナースステーションに繋がる扉やステーション内から外に繋がる扉は全て鍵が付いています。

そしてその鍵は病院のスタッフが肌身離さず持っています。そのため患者さんの家族が面会に来る時も病院のスタッフが鍵を開けなければ家族は病棟の中に入って来れません。そのため患者さんの家族は病棟についたら扉の横にあるインターホンを押してスタッフに病棟についたことを知らせ、インターホンを聞いたスタッフが鍵を開けて家族を病棟内に入れるという形になります。

そのインターホンの音なんですが、普段はずっと同じ音なのですが、たまに誰も聞いたことのないような音が流れる時があります。その音が流れる時は、重症患者さんが亡くなる前か亡くなった後に流れるという病院の噂がありました。実際私はその音を聞いたことがありませんがその音を聞いたことがある人は何人もいます。

そしてある日私が夜勤に行くと、日勤の看護師さんが「今日インターホンの音が聞いたことない音だった。それで音がなったからインターホンの方見たら誰もいなくて不気味だった。」と話た後、「それで今日重症だった患者さんが亡くなった。」と言い、「インターホンの噂は聞いたことあるから怖いね」などと話していました。

その後夜勤に入ってからは変わったことはなく仕事をしていました。
私の病院には公衆電話がそれぞれの病棟に1つあり、9時から21時まで患者さんが使えるようになっています。しかしその公衆電話の番号はどこにも記載されておらず、患者さんも職員もその公衆電話の番号を知りません。そのため患者さんから家族に公衆電話の番号を伝えることはできず、患者さんの家族からその公衆電話に電話をすることはできません。

そんな公衆電話なのですが夜中にステーション内でカルテを書いていると突然病棟の公衆電話が鳴っている音が聞こえてきました。今まで一度も鳴ったのを聞いたことがないので驚いていると、一緒にいた看護師さん達も鳴ったのを聞いたことがないと言っていて、「今日亡くなった人に霊が来たのかな?」と話していました。

まあ少ししたら鳴り止むだろうと思い、ほっといたのですがなかなか鳴り止みません。最初はあまり気にしていなかったのですが、「間違ってかかってきたにしてもこんな夜中に公衆電話に電話書ける人なんていないよね。」などとみんなで話していました。

その日は男が私一人だったので「電話止まらないから出てきてよ。」と周りの女性に言われ電話をとりに行くことになりました。
電話の前まで行くとどこからかかってきているか分からないので出るのは怖くなかなかでれません。しかし電話は鳴り止まないため意を決して受話器を取ろうとした瞬間に電話が鳴り止みました。

ステーションに帰り、他の人に「電話取ろうとした瞬間に鳴りやんだ。」と話すとみんな少しの間沈黙が流れました。その日はそれ以降電話が鳴ることもなく、他に変わったこともなく仕事を終えました。

現在もその職場で働いていますが、その日以来病棟の公衆電話は一度もなっていません。

ただの掛け間違いだったのか何かはわかりませんが、実際体験した私にとっては恐怖体験でした。

1/1
コメント(1)
  • 出てたら何が聞こえたんでしょうか

    2021/12/09/21:15

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。