寂しげな軍人の霊
投稿者:XO (3)
私は病院で働いていて、その夜勤中に不思議な出来事を体験しました。
今から7、8年前、当時の私はその病院の4階病棟で働いていました。
その日の夜勤のメンバーは気心のしれた人達でなんのトラブルもなくスムーズに仕事が進んでいき、「落ち着いててなにもない夜勤だね。」とみんなで話していました。
夜中の0時過ぎ頃に私が「なにもないから先に仮眠しますね。」と周りに言って仮眠を取るための準備を始めました。
仮眠と言ってもちゃんとした仮眠室があるわけでなく、ナースステーション内の診察室のベッドに敷きパッドを敷いて、毛布が1枚あるだけのとても寝心地のいいところではありません。
しかしその日は疲れがたまっていたのかすぐに眠りにつくことができました。
その後どれほど眠ったのかわかりませんが、ふと目が覚めると、診察室に置いてある机の奥に全身にもやがかかった軍服のような服を着た人が目深に帽子をかぶってこっちを見ていました。
びっくりした私は起き上がろうとしたのですが、金縛りにかかっていて動くことができません。
あせってどうしようかと思いましたが、よく見ると帽子を目深にかぶっていたので顔や表情は見えなかったのですが、なぜかとても悲しげな雰囲気でこちらを見ているように感じ怖さはありませんでした。
そのため私は「こっちを悲しそうな感じで見てるだけだし、金縛りで動けないし仮眠時間も終わっちゃうからもう1回寝よう。と思い、もう1度眠りにつきました。」
仮眠時間が終わり目覚めるとその軍人みたいな人はいなくなっていました。
その後仕事に戻り夜勤業務もほとんど終えて、なにごともなく朝になりました。
日勤の人達も出勤し始めてナースステーションに人が集まり、みんなで雑談をしているとき、私は夜中に体験したことをみんなに話しました。
すると1人の看護師の人が、「この病院のすぐ近くに凄く細い道あるの知ってる?」と言ってきました。
私はその道のことを知っていて通ったこともありました。
私はその人に「知ってますし通ったこともありますよ。」と言ったらその人が、「その細い道は戦争中軍道として使われてたらしいよ。そこを通ってた軍人の人の霊が来たのかもね。」と言いました。
その時私は急に背筋に寒気が走り、怖くなりました。
今現在も病棟は違いますがその病院で働いています。
その時以降夜勤の仮眠中にこのような体験はしていませんが、たまに夜勤で仮眠する前にこのことを思い出してぞっとする日がたまにあります。
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