おなかの上のおばあちゃん
投稿者:クロレラ (5)
短編
2021/10/09
09:12
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私の母親の不思議な体験です。
私の母親が初めての子供(私の兄)を出産して数年後、私の父親の母親、私の母から見ると義理の母親、私のおばあちゃんがなくなりました。
私はその当時まだ生まれていなかったので、おばあちゃんの事は写真でしか知りません。
私の母親は若くして結婚し、まだ幼さも残っていたために、義理の母親の立場から見るととても頼りなく見えていたようです。料理などもあまり上手でなかった母親は、野菜の洗い方から、だしの取り方まで料理のいろいろなことを義理の母親から習ったそうです。そんな頼りない母親が、子供を出産したときは子供を育てることが出来ない、と思われてしょっちゅう家にきては、孫の面倒を見ていたそうです。
かといって、私の母親もそれが嫌ではなかったらしくて、それなりにいい関係だったそうです。とにかくそんな風で、生前とても私の母親が心配だったおばあちゃんでした。
そのおばあちゃんが、入院してもう長くはないといわれていたときに、わたしの母親は金縛りにあったそうです。母親のおなかの上におばあちゃんがドンと乗っかって、苦しくて体も動かず声も出ない状態だったそうです。心の中で必死にお母さんのいてください、と訴えたそうです。
その日におばあちゃんはなくなりました。お母さんはそれを聞いてびっくりしました。
そしてきっと、亡くなる前に、一番心配だったお母さんに会いに来たのだろうと私の母親は思ったそうです。
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