手を振る叔母の不思議な思い出
投稿者:dig (2)
これは私が体験した、ちょっと不思議な話です。
私には、私が幼い頃に可愛がってくれた大好きな叔母がいました。
とても優しくて美人で、私にとっては憧れの叔母でした。
長くて綺麗な髪をいつも三つ編みにしていたのを覚えています。
けれど、叔母は私が中学生になる前に事故で亡くなってしまったのです。まだ叔母は30代でした。
とても悲しかったですが、私はまだ子供で、肉親の死に立ち会った経験も無く、叔母が亡くなったという実感はありませんでした。
「いなくなった」という感覚の方が近かったと思います。
やがて、叔母が亡くなってからしばらくのこと。
夜、私が寝る前に不思議なことが起こるようになりました。
窓の外に白い人影が見えるのです。私の部屋は2階でしたから、人が居るのは奇妙です。
しかも、窓の外に居るのに、はっきりと影の形がわかるのです。
その影は明らかに女性で、綺麗な三つ編みをしていました。
そして、こちらに手を振るのです。
私は怖くなって母親に言いましたが、信じてもらえません。それに、母親はその影を一度も見ていないのです。
その影は、それからも何度か現れました。ただ手を振るだけ。何か怖い出来事が私に起こるわけではありません。
次第に怖さは薄れていきました。
ある日、私は思い切ってその影に、一度だけ手を振り返したのです。
それから影はぴたりと現れなくなりました。
今でも、あの影がなんだったのかわかりません。
もしかしたら、叔母が亡くなったことが自分で思っていた以上にショックだったのか、あるいは、本当に叔母の幽霊のようなものだったのか。
けれど、私の記憶にずっと強く残っているのは確かです。
何か伝えたかったのかな
なんか切ない