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不思議体験

ellyさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

一歩
短編 2026/02/22 11:37 73view

これは小学生だった時の話。

僕は隠れんぼが異常に得意で今日も公園で2番目に大きい大木の上の方に隠れて最後の1人まで残っていた。耳をすませて鬼とすでに捕まった奴たちの会話を聞いてると、僕があまりにも見つからないためもう置いて帰ろうと言う話だった。慌てて木から降りようとしたが、だいぶ上の方まで登っていたので降りるまで少し時間がかかった。そして1番低い枝からぶら下がって足を土につけた瞬間、あたりが一瞬暗くなって、そしてまたすぐ明るくなった気がした。「?」と訳がわからなくなったが、とりあえずさっきの奴らを追わないといけないので走り出そうとして一歩踏み出した。とたん、さっきと同じことが起こった。一瞬暗くなって、また明るくなる。一つだけ今回違ったのは、何故か夕方に差し掛かってたはずの空が昼間のように明るくなっていたこと。太陽も真上にある。また「?」となったが小さく一歩動くと同じようなことが起きた。今度は暗転のあと朝のようになった。流石に怖くなってきた僕は走って家に帰ろうとした。一歩一歩足を出すたび視界がチカチカする。どうしよう怖い、皆どこ行ったんだ。焦りながら公園の出口まで来る頃、一つのことに気づいた。これは、僕が一歩踏み出すたび、一旦夜になって朝が来て1日経ってまた次の一歩で同じことが繰り返されてる…?立ち止まってゆっくり歩いてみることにした。足を上げる。するとあたりが真っ暗になった。虫の声も聞こえ、完全に夜だった。月を見ながら足をゆっくり下ろす。月はぐるんと下に落ちて太陽が顔を出し、足を下ろす頃には昼過ぎくらいになった。また足を上げおろしすると同じことが起きた。なるほど、わかった。でもだからどうしろと。皆いないし、そもそも人が居ない。怖いが縋るものがなかった。視界が点滅するようで気持ち悪くながらも公園を出て家の方向に向かって路にでた。昼間の風景とこちらを向いた一台の車が見えた。「あ!」と思って一旦立ち止まる。誰か乗ってるかもしれない、助けてもらえるかもしれない。でも一歩進んだら1日経ってしまって辿り着けないかもしれない。僕は一か八かで幅跳びみたいに一歩を大きく踏み出すことにした。「せえのっ」「プップー、ガシャン、バタン。」痛い。血が見える、僕の?意識が薄れた。死ぬのかな…?

一瞬頭の中が真っ暗になって、目が覚めた。母さんの顔が見えた。あれ?生きてる?車は?もう痛く無いし。立ち上がってふらついて一歩足を出してしまった。やばい、また陽が落ちる…と思って何も起こらなかった。母さんに抱きしめられた。「一体どこへ行ってたの!?1カ月間ずっと必死で探して何度もこの公園に来たのに…なんで今ここで倒れてるの」口調は怒ってたが、手は優しかった。多分母さんは泣いてた。「え?1カ月?」さっき隠れんぼが終わって公園を出て多分車に轢かれた…でも時間にして10分も経ってないはずだった。僕はその後訳がわからないまま病院に連れて行かれ、母さんはいろいろなところへ電話していた。父さんもいつもより早く帰ってきた。家族みんなで夕飯を食べて、その日だけ川の字になって寝た。次の日色々な人に会ったが、皆異常に優しかった。

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