パペットの声
投稿者:フータ (3)
短編
2023/12/14
02:27
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誕生日の日、私は懐かしいパペット人形の夢を見た。
夢の内容はパペット人形がクネクネと踊ったり、床を這っている姿をただ見ているだけのものだった。
私は夢の中で「ミ〇ーちゃんが動いてる!」と指を指して言った。
しかしその一言は実際に口に出ていたらしく、家族にどんな夢だったのか寝言について半分馬鹿にされながらも楽しく談笑していた。
そのとき、突然私の耳に男性の唸り声が廊下から真っすぐ届いてきた。
まるで何者かがすごい勢いで近づいてきたような声に私は震えが止まらなかった。
また、この声が聞こえたのは私だけではなく妹も同じく震えていた。
何も聞こえなかった両親は危険人物が家に入ってしまったのではないかと思い、包丁を片手に声のした部屋へと向かった。
するとすぐに母の怯える声と父が私を呼ぶ声が同時に聞こえた。
急いで部屋を見にいくとベッドの上にはおもちゃ箱にいるはずのパペット人形の姿があった。
その後、母に聞くとそのパペット人形は私が生まれたと同時に父が購入し、ずっと私のそばに置いていたものとのこと。
誕生日を迎え、また1つ大人へと近づいた私に聞こえたパペットの声。この出来事以降二度と喋ることはありませんでした。
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