家に潜むもの
投稿者:ノンレム金魚 (3)
これは私が5年前に体験した話です。
私の家系は神職に関わるもので、生まれつきこちらの世界のものではないものが見えます。
見えるからと言ってお払いをしたりなどはできません。
それを承知の上で、霊視を依頼されることが多々あります。その中でもインパクトの強かった心霊現象をお話していきたいと思います。
私の友人Mちゃんは恋人と同棲するため、Y県の不動産屋巡りをしていました。
そして、風呂バス別、駐車場無料、家賃20000円の2LDHの住まいを見つけそこに住むことになりました。
家賃や間取りを考えるとかなり怪しいですが、初期費用をおさえたかった2人にとっては優良物件のほかなりませんでした。
Mちゃんたちが住み出して2週間後、私の元に連絡がきました。
「ナニカは分からないけど、何かおかしい。1度うちに来てみてもらえない?」とのことでした。
高校以来の友人の頼みです。早速Y県のアパートに訪れました。
そしてアパートの敷地内に入ると、ぞわっと何か嫌な感じがしました。昼間なのになんだか薄暗い感じです。日当たりとかそう言ったものではないのですが⋯。
これは何かあると察した私はMちゃんたちが住む部屋へ案内されました。
古いけど間取りは広い風通しのいい部屋でした。
でも、何か重苦しい空気が漂っています。
Mちゃんの許可を得て家の捜索を開始しました。
風呂場、トイレ、これといって何も感じなかったです。
次に2人が寝室として使っている部屋に向かいました。
ベットの下、部屋の隅見てみましたが何も無かったです。
そして最後に残ったのは押し入れ⋯
ガラっと押し入れを開けると、作業着をきた50代と思われる男性がいました。
えっ?っと思い、閉めてまた開けるとやっぱり男性がいます。
あぁ、この人かと思いつつ男性の身体的特徴や、服装など伝えてもMちゃんは分からないといいます。
これじゃあ埒があかないので恋人の帰宅を待ち同じように説明しました。
すると驚くべき事実がわかったのです。
その男性は恋人と同じ職場に勤めていた方で
数年前に車内で練炭自殺をした方でした。
生前かなり可愛がっていただいたようで、葬儀にも参列したから間違え無いとのことです。
では一体なぜ、家族ではなく恋人に憑いてきてしまったのでしょうか?その辺は謎でしかありませんが、見た感じ悪さをしたりするようには見えなかったので、最善策をとしてご家族に還すのが1番いいと伝えました。
浮遊霊は寂しがり屋なので自分を構ってくれる人が大好きです。あの男性にとって恋人は一番の拠り所だったのかもしれません。
その後、Mちゃんたちは引っ越したかというと、まだあのアパートに住んでいます。
今でも男性と3人でいることでしょう。
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