カーナビの裏切り
投稿者:やうくい (37)
私はものすごい方向音痴なのですが、今の時代にはカーナビという便利なものがあり
東西南北どちらに向かっているのか
全く検討がつかない私でも迷うことなく目的地に着くことができます。
本当に私は運転の全てをカーナビに任せており、カーナビが示した道には、迷うことなく進むようにしていました。
その日も私は電話番号をカーナビに入力し
カーナビの案内のままに運転していました。
向かう先は高評価のレビューが多いラーメン屋で、初めて行く場所でした。
その店は水にこだわった結果か、かなりの田舎にありました。
田んぼばかりの道をずっと走っていましたが、夕焼けの空と、黄色い田んぼがとても鮮やかで、少し感動していました。
しばらく走っていると、かなり細い道の方へ曲がるようにカーナビから示されました。
その道は本当に狭く、車一台通るのすら危ういほどでした。看板すら出ていなかったため少し不思議に思いましたが、私はカーナビを信じ、その道を進むことにしました。
くねくねと細い道が続きます。
この道は何のために作られたものなのか、分からなくなるほど何もない道でした。
日が沈み、辺りが真っ暗になる頃、突然カーナビが終了しました。
「目的地到着です。運転お疲れ様でした。」
いつもなら一安心するアナウンスですが
今の私にとっては恐ろしい宣告でした。
着いたと言われても、目の前には真っ暗な森しかなく、店なんてあるはずがありません。
見えないだけで、実はあるのか?
もはやすがる思いで私は車を降り、辺りを見回ることにしました。
スマホのライトをつけ、周りを見回してみますが、当然看板一つありません。
なんとなく真っ暗な森の方にライトを向けた途端、私は凍りつきました。
ボロボロに朽ち果てた赤い鳥居と、苔むした石階段を見つけてしまったのです。
なるほど、ここに案内されたのか。
私は車に飛び乗り、元来た道を引き返しました。幸い元の道に戻れない、などという事はなく、先程の田んぼ道に出た私はラーメン屋を諦め、帰宅することにしました。
家に帰り、電話番号を改めて確認しましたが
私はきちんとラーメン屋の番号を入力していました。一体、なぜあのような場所に案内されたのでしょうか。
あれ以来、私はカーナビに示された道でも、おかしいなと感じたらスマホで地図を調べる事にしています。
皆さんも、カーナビの言う通りに運転していると、思いもよらぬ場所に着いてしまうかもしれませんよ。
次はスマホに裏切られるんだな
自動運転システムとかが普及してくると、今度は勝手に心霊スポットに向けて走り出す車の怪談とか出てくるんだろうか
システムが古かったりなんだったりでそういう事は偶にある
昔カーナビに従ったままだったら海へダイブする時があった位だぜHAHAHA
カーナビ黎明期に新造の巨大な橋を渡る車の中で
当時の先輩が「おいw 俺たち今、海の上走ってんぞw」
とカーナビを見ながら爆笑していたのを思い出したw