沖縄のユタ
投稿者:ダインスレイヴ (1)
これは10年くらい前に、私の義母に起こった話です。
義母は社交性もあり、友達も多いのですが、中でも仲良しのNさん(女性)という方がいました。
私もNさんには何度も会ったこともあり、当時保育園に通っていた私の娘2人を孫の様に可愛がってくれていました。
Nさんは1人暮らしでしたが、Nさんの妹さんとも義母とは知り合いで、家族ぐるみのお付き合いでした。
義母は沖縄出身で、毎年、里帰りしているのですが、その里帰りにNさんも誘って、一緒に沖縄旅行を楽しもうと計画していました。
Nさんはとても楽しみにしていたようで、沖縄旅行を楽しむために、いろいろと準備をしていたようです。
3日と空けず義母は、Nさんと連絡を取り合い「ここに行こう。あそこに行こう。」と電話し合い、Nさんも本当に楽しみにしていたようです。
いよいよ沖縄旅行が迫ってきました。義母は普段のとおりにNさんに電話連絡したのですが、連絡がつかない日が2、3日続きました。
まぁ、たまたまだろうと思っていたのですが、気になって何度か電話したら、電話がつながったのですが、聞いたことの無い男性の声でした。
義母は名乗り「どちら様ですか?」と尋ねたら「警察です。」と言われ、非常に驚き「何なんですか?」と尋ねました。
警察が言うには、「Nさんが亡くなられました。亡くなられ方に少し疑問があり調査中です。」とのことでした。
義母は、すぐにNさん宅に向かって、Nさんの妹さんと話をしました。死因は凍死とのことでした。
何でも少し高めの窓から落下し、気絶したところに折からの寒さで凍死したのではないか?とのことでした。
私の娘たちも小さいながらも、非常に悲しんでいたのを覚えていますが、義母のショックは相当だったのを覚えています。
そんなこともあり、義母のその冬の里帰りは夏に延期することになりました。
夏の里帰りの時、Nさんの妹さんから、「姉さんかとても楽しみにしていたから、一緒に連れて行って欲しい。」と言うことで、沖縄に行くために用意していた、赤いトラベルバッグ(スーツケース)を渡されました。
義母は、「Nさん一緒に行こうね。」とそのバックに自分の荷物を詰めて沖縄に里帰りしました。
里帰りから帰って来た義母ですが、しばらく体調がすぐれない日が続きました。
病院に行っても、原因がまったく分からず、起き上がるのも難しいほど、弱ってきました。
困った義母は、沖縄の妹に状態を話し、ユタに相談することにしました。
ユタとは、沖縄にいる霊媒師みたいな方で、ホンモノからニセモノまで、たくさんいるそうですが、義母は信頼できるユタにお願いしたようでした。
義母の妹がユタに尋ねたところ、「お姉さんは近く沖縄に来ていなかった?」と何も話ていないのにわかっていました。続け様に「そのときに四角い赤いものを持って来ているはず?」と言われたのですが、妹には何のことかわかりません。ユタに「何かわかる?」と言われ、義母に携帯でユタの前から電話をしました。
義母は「トラベルバッグ」と気づき、妹にそう伝えました。ユタは「そのバッグをすぐに処分してください。そこの中から、「寒い」と言う声が聞こえる。」と言われ、Nさんの亡くなった原因を思い出しハッとしたそうです。
ユタに妹を通じて、これまでのことを話したところ、「亡くなった人の思いがある四角のものは、言わば棺桶みたいなもので、棺桶をそばに置いているのと同じこと。」と言われたそうです。
義母がトラベルバッグを処分したあとは、すっかり体調も戻りました。
亡くなった人の思いが物に宿るってことと、ユタの見通す力がホンモノだったと言うことに驚いた話でした。
興味深い