別の私に成り変わってしまった
投稿者:ぎゃふぇむ (1)
私はどんな人間か。
絵を描くのが好きだ。
本を読むことも好きで、幼い頃から図書館に通っていた。
福祉の分野で働くために、一人暮らしをして学校で学んでいる。
私は家族のことが好きだから、学校を卒業したら地元で働いて孝行したいと思っている。
私の特徴をあげるとこのような具合で、自覚している特徴が絶対的に正しいものと思っていた。
ある肌寒くなってきた日。
夢を見た。
内容は夢らしい、特筆するようなストーリー性のあるものではないし、内容はほとんど覚えてない。きっと内容に意味はないのだ。
そんな夢から目覚める直前に、「パチン」と音がしたのを覚えている。
トタンのような固いものを叩いたような、あまり聞かない音。
それに気を取られてたとき、目が覚めた。
起きた瞬間は違和感がなかった。
お湯を沸かして、朝ごはんを用意して…としている時に「なんでこんなに静かなんだ」という違和感を覚えた。
「静か」というのは、体や心が静かだということ。「体の動きがいつもと違う」感覚を覚えたのだ。
しかし、ここまでいつも通りの過ごし方。
昨日なんか疲れるようなことがあったっけ…?と頭を捻りながら自宅で大学の勉強をし、仕事へ向かった。
私は大学の勉強が好きだし、介護の仕事も好きなのだ。
数時間の勤務が終わり、帰路に着くと、やはりあの違和感が襲ってきた。
落ち着いた、充実感のあるこの感覚に体が違和感を持っているのだ。拍子抜けするような、そんな感覚。
いよいよ私はおかしいんじゃないかと思い始めた。
友達や家族との連絡。
実家に電話してみたら「電話してくれて嬉しい」という祖父母の言葉。
やはり私の過ごしている世界と同じはずだ。
しかし、「1ヶ月ぐらい連絡なかったからどうしてるのかなーって思ってたのよ」という言葉に驚いた。
嘘だ。そんなはずはない。
私は、定期的に電話をして祖父母と雑談しているはずだ。
電話の履歴を見ると、確かに2ヶ月近くは連絡をしていない。
そればかりか、事務的な連絡以外に家族と連絡した痕跡がほとんどない。
友人とは元々そこまで頻繁に連絡は取らないが、友人のSNSを見てもどこか違和感がある。こんな感じの生活してたっけ…??という人が数人いた。記憶の中で、最後にSNSをチェックしたのは昨日。すぐに変化するわけがない。
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