不思議な体験をした話

学生時代、学校帰りにイヤホンをして大音量で音楽を聴きながら歩いていたときのことです。

横断歩道の信号が赤信号のため待っていました。連絡があり携帯を見ながら、信号を確認すると青信号になったので渡ろうと一歩踏み出しました。

するとちょうど聴いていた音楽が終わり、次の曲になる変わり目の無音のときに突然「あ、」という女性の声が聞こえました。不思議に思い、携帯を見るために下を向いていた顔を上げると、目の前に信号無視して走行してきた大型バスがかなりのスピードで通り過ぎました。本当に、あと一歩踏み出したら轢き飛ばされていました。

驚きすぎて逆に変に冷静になり、「そういえばさっきの女の人の声は誰だろう？」と思い周りを見渡しましたが誰もおらず。轢かれそうになったことより、何故か女性の声が聞こえたことに怖くなってしまい急いで帰宅しました。

帰宅しテレビをつけ夕方のニュース番組を流し見していたところ、とある大型バスが横転し事故をしたというニュースが流れたのが聞こえました。画面を見ると、信号無視をした大型バスと全く同じバスが映っていました。帰りに会った大型バスの進行方向を考えると、事故した場所と一致していたので、恐らく出会った大型バスに間違いありませんでした。

運転手は体調不良だったようで意識朦朧とした状態で運転していたそうで、負傷者は居たものの幸い死者は出ずに済んだようでした。

帰宅中に聞こえた女性の声は、気まぐれなのか偶然なのか、助けてくれたのかなと思うと怖くはなくなりました。